忍者ブログ
バカみたいに前向きだったり、たまに落ち込んだり。Noeの思考を文章化!そんなブログ

* admin *  * write *  * res *
[197]  [196]  [195]  [194]  [193]  [192]  [191]  [190]  [189]  [188]  [187
<<08 * 09/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  *  10>>
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


毎日、同じことの繰り返し。
満員電車に乗って通学して、さして楽しくもない授業を受けて、友達という名の薄っぺらい繋がりの人達と話を合わせて。
全てを適当にやり過ごして、また満員電車に乗って家に帰る。
そして気づいたら1日が終わる。
そんな日々の繰り返し。

こんな日々を何て言ったらしっくりくるだろう。
退廃的?無味乾燥?
…もっとシンプルな言葉で…そうだ、

「つまんない?」
そう、つまんないんだ私は。…ん?
「え?」
突然のことに、私は上手く反応できなかった。反射的に声がした方を向いたが、頭は全くついていっていなかった。
つまんないって?なに?いま私に聞いた?
「あ、『驚いた』って顔してる」
状況をまだ飲み込めていない私をよそに、声の主は笑っていた。
こいつは、この男は…。
「高橋…。…くん」
呼び捨てはマズイかと思い、とってつけたように「くん」を続けた。
私の脳内では常に呼び捨てであるから、つい、その癖が。
高橋は私の中で、「くん」をつけて呼ぶに値しない男なのだ。
「なに?いきなり…」
私は笑顔を装おうこともせず、不信感を顕にしながら尋ねた。
「すっごいつまんなさそーな顔してるから、そんなにつまんないのか聞いてみただけ」
あ、そう。
「わ。すっごい『くだらない』って顔」
だって、その通りだもの。
いきなり私に声をかけてきたのは、クラスメートの高橋佑(たかはしゆう)だった。
いつも明るく爽やかで?ノリがよくて面白くてみんなの人気者?
…私にはうるさくて、ただのお調子者にしか思えないんだけど。
とりあえず、私が、ここで一番関わり合いたくない男であることは確かだ。
そんな男がどういうつもりで私に話しかける…
ていうか、どうしてあたしの隣の席にいるの。
あたしの隣の席は、決して私に害をなさない、おとなしさがイチオシの文学少年(無口)の田山くんのハズでしょ!
第一いまは、後期の委員とか係を決めてる時間で、議長であるあんたは黒板の前に立ってなきゃいけない…
「ん?10分まで休憩?」
役職を書き連ねた黒板の空いたところいっぱいに、汚い字で書いてあった。
そういえば、席がちらほら空いていたり、めいめいが好き勝手している。いつの間に。
「そ。休憩にしたの。話聞いてなかったな?まあいいけど。進展しない役職決めにみんなつまんなさそーな顔してたからさ」
高橋は私を見てまた笑った。
「槙野みたいに」
さして親しくもないのに、呼び捨てにするとはいい度胸だ高橋佑。
「…悪かったわね」
あたしは悪びれる風もなく言った。
「いんや。確かにつまらないから、槙野の態度はフツー」
でしょうね。
…なら、なんで絡むのよ。フツーなら放っておきなさいよ。あたしはあんたと関わりたくないのよ。
「フツーなんだけど」
そこで言葉を切って、高橋は表情を変えた。
なるべく顔を見ないようにと視線を反らしていたのに思わず見てしまった。
「槙野はいっつもつまんなさそーに見える」
「え?」
高橋が普段とは違う真面目な顔をするから、戸惑った。
辞めてよ。あたしの中で、あんたはただのうるさいお調子者なんだから。
想定外のことされたら調子狂うわ。
「つまんなさそーな顔してたらどうだっていうのよ」
あんたには関係ないじゃない。
あたしは鬱陶し気に言った。高橋相手なら隠しもしない。
「…学校、つまんない?」
尚も高橋は私に関わろうとしてくる。
ああもう!田山くんどこ行ったの!早く席に戻ってきて!
高橋は毎日楽しいんでしょうね。いっつも楽しそうに笑ってるものね。
でも、みんながみんなそうだと思ったら大間違いよ。
あんたはそう思ってるかもしれないけど、現にあたしは違うわ。
「つまんないわよ。毎日毎日同じことの繰り返し。でも今さら楽しい高校生活なんて期待もしないわ」
冷めた表情で、淡々と言い放ってやった。
高橋は少なからずショックを受けたようだ。表情に出ている。いい気味。
毎日毎日つまんない。
楽しいことなんてない。
でも、これでいいかとも思ってる。
そろそろ本格的に受験勉強しなきゃいけないし?
高校生活に期待を抱く方が間違ってる。
高校生活残り半分も、同じように過ごしていくわよ。
教室に人が戻り始めた。
前の壁にかかっている時計は9分を示している。
議長の高橋サンには黒板前にお戻りいただいて、私は…そうだな、内職でもしよ。
私は期待を込めて高橋を見た。
すると高橋はまさに「残念だ!」というような表情をして
「もったいないよ槙野!」
と急に声を荒げた。
「は?」
なにが?あんたとこうやって話してる時間が?
「槙野は知らないだけだよ!」
なにを。あんたを上手く追い払う方法なら今すぐにでも知りたいわね。
「毎日なんて、自分次第で、いくらでも楽しくなるんだぜ?」
ここで高橋はにっこりと笑った。
「槙野、まだなんの役職にも就いてないよな」
「え?…就いてないけど」
なによ突然。
「たしか部活もやってないよな?」
「…」
帰宅部ですけどなにか。
「よし決まり!槙野、文化祭実行委員!」
高橋が、教室中に聞こえる声で言った。
は?
「はああああ!?」
思わず大声を上げてしまった。もちろん教室中に響いた。
みんなが私と高橋に注目する。
あり得ない展開に、もう頭がついていかない。
何を言い出すのアンタは。
「みんな喜べー!進行を阻んでいた文化祭実行委員が決まったぞー!」
立ち上がり、お調子者特有のトーンで高橋が言うと、教室中が沸き立った。
なぜなら、候補者が出ず、会の進行を妨げていたのが文化祭実行委員だからだ。
なんたら委員は必ず決めなければいけないため、決まらない限り、私達は帰れない。
みんなが喜ぶのもわかる。
でも!
「なんであたしなのよ!勝手に決めないでよ!」
己の意に反して文化祭実行委員に決められつつある私は喜んでいられない。
椅子から腰を上げて抗議する。
そんな私に高橋は笑顔を向けると
「だって槙野暇そうじゃん」
「なっ…」
と爽やかに言った。
失礼な!たしかに、暇だけど!だからって…!
「ゆーう!女子は決まりとして、男子の方はどーすんだよ」
クラスメートの一人が言った。
「女子は決まりぃ!?ちょっとあんたら人の意見無視して話進めてんじゃないわよ!」
声を荒げる私に、まあまあ、と誰かが身振りをするのが見えた。
はっ。田山くん。いつの間に戻ってきたの。
「男子の方は俺がやる!時間おいても誰も立候補しないっしょ」
高橋はあっさりと言った。
「お前、議長どーすんのさ」
「んー?別に兼任でもなんとかなんじゃね?」
やはり軽く答える高橋。
え。ていうか、この流れはあたしで決定なの?
「ちょっ、高橋…!」
田山くんの席を離れて高橋が黒板に向かおうとしたため、呼び止めた。
あたしはまだ承諾してな…
「絶対楽しいって!一緒に頑張ろうぜ!な!」
…いんだけど、これはもう流れに従うしかないわけね。
あたしは、へたんっと椅子に座った。
黒板前に立った高橋は意気揚々と残りの役職を決めていった。
さっき…振り向き様にあたしに向けられた高橋の笑顔は、今日一番の輝きであったように思う。
あたしは折れるしかなかった。
高橋は私がここで一番関わり合いたくない男。
なぜなら、奴の笑顔を前にすると、どんな馬鹿げた諸行も許してしまう自分に気づいているからだ。
そして私は、そんな私を認めたくないのだ…。



――――――――――――――――――――――――

気が向いたら続く。

パッと浮かんだシーンを文章にするのにこんなに時間がかかるとは。
布団に潜りながらケータイで打ってたんですが、気づいたら朝です。
やべぇ今日バイトなのにw少しでも寝ないと(〇д〇∥)

突然書きたくなったから衝動に任せて書いた。

これ、何度も練り直してる『イコールU!』ってネタの最新案。
書きたいシーンまでたどり着く前にいつもボツになる。
これはどうなるかな(見切り発車)。

4コマも書きたくなってきたなあ。

あ、寝ます。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

管理人のみ閲覧可能にする    
初めまして
初めまして、珠零と申します。
この記事に対するコメントでなくて申し訳ないのですが、どうしても、Noe様にお伝えしたいことがありまして!

私はうみねこが好きで、よくうみねこの曲を聴くのですが、この前“性善説”という歌を聴いて、本当に泣きそうになりました。
メロディーが凄く素敵で、歌声がその曲にマッチしていて…。
透き通るような声で、ベルンカステルの小さな決意のようなものが伝わってくるような歌い方で、(恥ずかしながら、それで初めてNoe様を知ったのですが)Noe様のファンになってしまいました!
それ以来、性善説はほぼ毎日聴いています。
好きな曲は、自分でも口ずさんだりお風呂で歌ったりするのですが、最近はずっと性善説オンリーです。
どうしたらそんなに透明感のある歌声になるんだろう?などと考えてしまいます・・・。

とても感動しました。すごく素敵な歌に出会えて良かったです。Noe様の歌声に、心から感謝を込めて…
珠零 2010/03/06(Sat)22:58 編集
はじめましてー!
珠零さんこんにちは!コメントくださってありがとうございます^^

「性善説」を聞いてくださったのですね。
それだけでもとても嬉しいのに、わざわざ感想を頂けるなんてわたしは幸せ者です。
この曲は残酷な言葉がたくさん出てくるのに
なぜか悲しかったり寂しかったりする印象を受けますよね。
作詞者のdaiさんが詩に込められた想いなどをお聞きして
それを歌で表現できるよう精一杯うたわせていただきました。
かなり苦労したのですが、聞いてくださった珠零さんに伝わったみたいで嬉しいです!
出会えてよかったなどと言っていただけるなんて、歌い手冥利に尽きます!ありがとうございます。

もしよろしければ、わたしが歌で参加しているEnfance finiの方のCDも聞いていただけたら嬉しいです^^
どの曲も魂を込めて歌っておりますので!!
また5月頃にはソロでCDを発表しようと思っております。
お暇なときにでもサイトをのぞいてくださると嬉しいですっ。

何かを創っている(私の場合、「歌う」ですが)者にとって、感想をいただけることほど嬉しいことはないです!!
こちらこそわざわざ書き込みしてくださったことに感謝しております。
本当にありがとうございました。

これからも頑張りますね!!
のえ 2010/03/13(Sat)03:05 編集
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
Noe(のえ)
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
powered by NINJA TOOLS // appeal: 忍者ブログ / [PR]

template by ゆきぱんだ  //  Copyright: ゆらゆらいこうよ All Rights Reserved